家の中の漆喰が部分的に剥がれたり膨れてきてしまったので部分補修をしてほしいとのご依頼を受け施工してきました。
地域の住宅メーカーさんで家の中の壁全てを漆喰で仕上げるというこだわりのお施主様で、連絡を受け現調に伺ってみたところ確かに家中の壁の至るところが少しづつ膨れたり剥がれたりしていたのですが全面塗り直しなんてことになったら大掛かりな工事で金額もとんでもないことになっちゃいます。
なんせ家中の壁全てが漆喰です。
そして新築当初使用した漆喰材料がどこのメーカーの商品かつきとめられませんでした。
なので思考したところ田中石灰工業さんのタナクリームという商品に絞られました。
↑こちらです
一番の問題点でもあり課題でもあるのが石膏ボードに直接漆喰をぬってあることでした。
通常石膏ボードへの一発塗りは薦めない左官屋さんが多いと思います。
基本的には当社も下地を塗ってから仕上げを塗っていきます。
石膏ボードに直接塗れるという商品がありますが今回のように10年程で不具合が出てきてしまうことを考えると、新築当初の施工費用を抑えたところで本末転倒です。
このような設計をされる会社さんもありますが、施工する側としては後々クレームになりそうな一発仕上げは本心ではやりたくないものです。
家中の至るところが↑このように剥離しています。
ヘラで剥がれている部分を剥がそうとしたらかなり広範囲にわたって簡単に剥がれていきました。
明らかに接着力を失っています。
とりあえず今回は部分補修にして、今後も剥離の進行は目に見えているので次は建てていただいた住宅メーカーさんに相談していただくことにしました。
販売されているメーカーさんも試験して販売されていますので、プラスターボードに下地を塗らずに一発で仕上げできるというのは画期的でありがたいことなのですがやはり新商品というのは経年劣化を確認できないのでデメリットを最小限に抑える施工時の注意点が確率されていないという事も頭に入れなくてはなりません。
新たな良い商品を研究していくメーカーさん、なるべく施工費用を抑える設計を日々探求していく工務店さん、自分の技術にプライドと責任感を持って施工する施工業者さん、みんなが一生懸命です。
新商品というのは本当に難しいです。